ご挨拶

 第26回日本静脈麻酔学会を、2019年11月22~23日に昭和大学上條講堂(東京都品川区)で開催させていただきます。

 全静脈麻酔(Total Intravenous Anesthesia, TIVA)は、日本では20年超の歴史があります。TCI(Target-controlled infusion)ポンプ、脳波モニタ、レミフェンタニル、スガマデクスの発売とともにTIVAの環境は整ってきました。ですが、TIVAが誰でも簡単に施行できるまではまだ遠く、改善の余地がまだまだあるように思います。そこで、今回の学会のテーマを「静脈麻酔・全身麻酔のこれから」とし、今後のTIVAや全身麻酔について考える学会としました。

特別講演には人工知能・機械学習の第一人者である横浜国立大学教授の濱上知樹先生に「AIのいま(仮題)」というテーマでお話しいただきます。AIは医療界での実用も始まり、近未来にはあらゆる分野で活用されると予想され、麻酔科分野でもAIは欠かせないものとなっていくでしょう。医療界でAIをどのように利用していくかを考える機会、また、AIを活用した医療の発展のきっかけにして頂きたいと考えています。「呼気プロポフォールモニタ」は、10年以上前から研究されており、ヨーロッパでは発売された製品がありますが、今一つうまくいっていません。日本でこの難しい課題に真摯に取り組んでいる(株)汀線科学研究所代表取締役社長の下野彰夫先生に、呼気プロポフォールモニタリングについてお話いただき、実際の臨床データを増井がお話しいたします。「麻酔薬と生命予後」(仮題)では、ここ数年大規模研究の結果により、麻酔薬が予後に関わる可能性が示唆されています。この重要なテーマについて、第22回日本静脈麻酔学会会長を務められた木山秀哉先生にお話しいただきます。

シンポジウムとして「TIVAを通常の麻酔にするには?」「これから学ぶための本」という2つのテーマを選びました。どちらのシンポジウムで、大ベテランの先生から若手の先生に演者をお願いしました。世代を超えたディスカッションを期待しての企画です。ハンズオンセミナーは第24回日本静脈麻酔学会に始まり、今回で3回目です。今回は第24回日本静脈麻酔学会会長を務められた森本康裕先生にコーディネータをお願いしました。

 一般演題の募集は8月19日から9月30日です。静脈麻酔に関わる演題はもちろん、吸入麻酔、筋弛緩薬、局所麻酔薬でも、麻酔関連薬剤の麻酔薬理学に関する演題を広く募集します。本学会の一般演題では活発な議論が交わされます。学会の一つの醍醐味であるディスカッションを存分に楽しんで頂きたいと思います。本学会では毎年、一般演題からJSIVA賞(賞金あり)を選出しています。今回のJSIVA賞は全演題の中から1~2題、若手の発表者の演題の中から1題を予定しています。はじめて演題を出す方もぜひ奮ってご応募ください。

 11月下旬は、芝公園、日比谷公園、国立科学博物館附属自然教育園など、都内各所で紅葉が見頃で、東京都庭園美術館などライトアップされた紅葉を見られる場所もあります。皆様のご参加を心よりお待ちいたしております。

第26回日本静脈麻酔学会
会長 増井 健一
(昭和大学医学部麻酔科学講座)